サービス
国内市場を相手に“形のない財”の提供をビジネスとするサービス業。景気回復により業績は上昇傾向だが、労働者不足の懸念材料もある。典型的な労働集約型業種のフード、レジャー、高齢者サービスでは従業員不足が深刻化。逆に人材サービスは好機と捉えて事業拡大へ。また、ICT(情報通信技術)進展の影響を受けているのが旅行・ホテル、マスコミ、映画・アミューズメント。変化の速いデジタルツールへの対応がシェア獲得の鍵となる。
フードサービス
原材料の高騰が続き収益確保の厳しい業界。その中でファストフード系が堅調。徹底したコスト管理と作業工程の効率化で、シビアな価格競争でも利益を出した。居酒屋系は店舗数増加で過剰感。1店舗あたりの利益率低下で統廃合も。
旅行・ホテル
景気刺激策により回復基調の国内旅行。大手3社を猛追するネット系に勢いがある。国の戦略課題でもあるインバウンドの取り込みで業績回復のホテル。だが、円高に領土問題、震災、原発事故の影響で、市場は一気に冷え込んでいる。
映画・レジャー・アミューズメント
興行収入が2年連続伸長で好調な映画業界は、独立系制作会社が相次ぎ倒産、それを支えたミニシアターの閉館も続き、業界の2極化がさらに拡大。経費削減に努めたテーマパークは、消費不況により売上が伸びない中で利益を出している。
マスコミ
発行部数の低下が続く新聞は活路をネットに。無料のニュース検索や電子版新聞等、2本立てで収益確保へ。出版は電子出版に本腰。高機能端末の登場で弾みがつき、電子版雑誌の海外配信などグローバル展開も視野に。
教育
「ゆとり教育」による学力低下不安が追い風だった学習塾は「脱ゆとり」で一気に逆風。加えて、現下のデフレ不況で経営環境は厳しい。業界では、学童保育との連携や年代別の多様な教育サービス等の内需創出と海外展開が活発化している。
人材派遣・人材紹介
改正派遣法の成否が不透明な中、改正後をにらみ各社の組織・事業構造改革が進む。業績は顧客業種により明暗が分かれ、製造業の技術者派遣、アウトソーシングは復調している。企業の人材需要低迷で厳しい人材紹介ではアジア展開も。